2007年(平成19年)6月20号

No.363

銀座一丁目新聞

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茶説

商道徳は地に落ちたり

牧念人 悠々

 先日こんな事がありました。私の粗忽故の出来事です。北海道旭川空港の売店で月刊「文藝春秋」と北海道新聞を買いました。丁度6月10日で月刊「文藝春秋」の7月号の発売日でした。東京行き日本航空の機内で読もうとしたらなんと6月号でした。すでに読んだものでした。発売日なので店頭に一冊だけしかなかったが当然7月号と思って買ったのです。店の者にしてみれば先月号でも粗忽者が買ってゆくであろうと計算して並べていたものであろうか。私がまんまんとひっかかった・・・。発売日前日の9日まで並べるなら許されよう。発売日の10日がきたら7月号ととり替えるのがお店の最低の商道徳であろう。お客へのサービスです。「文藝春秋」の表紙だけ見て月の号数をみなかった私が悪いのです。それにしても・・・と思う。
 そんなちょっとした事件があった後「NOVA」の事件が起こりました。「羊頭を掲げて狗肉を売る」という奴です。昔からあります。「英語は必需品」なんて言われると「駅前留学」したくなるのが人情というものです。その上「低価格」「自分の都合で自由に授業時間が設定できる」といううたい文句につけこんで「誇大宣伝」「不実告知」「債務履行拒否」などの不正が行われました。
「NOVA」の店舗は全国で900店、受講者数48万人を数えます。この規模であれば普通に運営すればそれなりに利益が上がると思います。人間は欲深い動物です。更なる利益を考えます。向学心に燃える若者を食い物してはいけません。「NOVA」とは「ウソつき」と同意義です。
 船場の商人和田亮介さんがその著書「船場吹き寄せ」(創元社)の中でビルの基礎といわず壁の厚さといわずくみ取りの便槽にいたるまで手を抜かず、丁寧な仕事をする藤本工務店の話が出てきます。愚直までに「信用」を大切にした企業でです。読んでいて爽やかな気分になりました。和田さんは「神なき教育は知恵ある悪魔をつくる」という西洋の諺を引用されております。戦後教育の弊害がここに来て一挙に吹き出した感がある。

 

 

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