2007年(平成19年)5月1号

No.358

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(111)

―またも女神のいたずら― 

  先日の皐月賞は大波乱だったが、今回の天皇賞(春)もまた波乱に終わった。皐月賞のときは波乱について「競馬の女神はいたずら好きだ」と書いたが、その傾向は依然として続いているようだ。1番人気のアイポッパーは4着に敗れ、優勝したのは2番人気メイショウサムソン、2着は11番人気エリモエクスパイア。3着は4番人気のトウカイトリックで、ゴール前はハナ、クビの勝負だった。配当は馬連、3連複とも万馬券、3連単は30万馬券。春の嵐というところだろう。
 1番人気アイポッパーは、直線で鋭く追い込んだが4着で、位置取りが悪かったのが響いた。3番人気デルタブルースは好位置にいて直線での伸びに期待されたが、落鉄の影響で後退(13着)。不運だった。長距離適性の高い馬だけに、落鉄のアクシデントが惜しまれる。これもまた女神のいたずらだろうか。皐月賞では逃げた馬の逃げ残りという波乱だったが、今回は逃げたユメノシルシが4コーナーで後続馬に掴まり、ブービーに惨敗。前半を盛り上げただけに終わった。
 勝ったメイショウサムソンは、昨年の2冠馬(皐月賞、ダービー)。秋の菊花賞は4着、有馬記念は5着で、2冠馬としては物足りない成績だったが、今年になって大阪杯を勝ち、再び強さを見せ始めていた。今回の天皇賞(春)制覇は、2冠馬の実力発揮というところ。まずは順調なところだろうか。この馬に対してゴール前、いったんは先頭に立つ場面を見せたエリモエクスパイアのハナ2着は惜しかった。ゴール前の熱戦は見ごたえのあるものだったといえる。その波乱の立役者が11番人気と人気薄であった点に、盲点を突かれた思いのファンも多かったようだ。
いずれにしても、ほくそ笑んでいるのは、またしてもいたずら好きの女神だけかも知れない。

( 新倉 弘人)

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