2007年(平成19年)3月1号

No.352

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(106)

―競走馬脱走の珍事― 

  馬もときには気まぐれを起こすようだ。そう思わせる事件があった。阪神競馬場で2月24日、レースに出走した馬が競馬場の業務用門から逃げ出して、県道を走る騒動を起こしたのだ。競走馬が競馬場外へ逃げ出したのは、最近にない珍事。事件のあらましは、次のようだ。
馬は瀬戸口勉厩舎のノボリハウツー(牡6)。第4レース(障害オープン)に船曳文士騎手(20)が騎乗して出走したが、最終障害で落馬。レース終了後、ウイナーズサークルにいったん誘導されたが、開いていた出口から外へ逃走。さらに業務用門を抜けて、県道中津浜線を宝塚方面に走り出した。たまたま車で競馬場へ向かっていた松元省一調教師と稲葉的海調教助手が馬を発見。馬が店舗の駐車場へ入ったところで捕まえて、救急車で追走してきたJRA職員に引き渡された。交通事故などは起こさなかったというから、まずは一件落着というところだ。それにしても、人騒がせな事件ではある。ついでに、馬の脱走事件を思い出してみる。JRAでは、最近見られないが、公営競馬にはある。04年2月、川崎でエンドル(牝3歳)が厩舎から逃げ出し、市街地を約3キロ走り回った。三条では96年10月、馬運車に乗せられようとしていたホクエツローマン(牡4歳)が逃げ出し、住宅地など約8キロを走った。大井では96年1月、スーパーオトメ(牝4歳)が厩舎から飛び出し、首都高速道路など約3キロを逃走した。
今回の阪神での脱走事件はJRAの馬だが、JRAとしては64年以来、43年ぶりのことだという。妙なことの復活にならなければいい。そこでだが、人(特に関係者)は馬の気持ちをどこまで分かっているのだろうか。そんなことを思わせるが、どんなものだろうか。

( 新倉 弘人)

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