1998年(平成10年)6月10日(旬刊)

No.42

銀座一丁目新聞

 

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ゴン太の日記帳 (8)

目黒 ゴン太

 自分は、無類のテレビ好きである。あまり1日の中で、家に居る時間は多くないのだが、家に居る時間の大半は、テレビがついている。しかも、見る番組のほとんどが、バラエティー番組と呼ばれるものである。ドラマも見ることもあるが、毎週、ストーリーを追いかけなければいけないのが、面倒臭くなることが多く、その点、バラエティー番組は、その場のみの笑いであり、ストーリー構成なので、自然と見る機会が増えるのである。でも、毎週、ビデオまで撮って見ているバラエティーも有る。それは、電波少年なるものである。

 この番組は、様々な企画を、若い芸人がやるのだが、それらが、非常識的であったり、初めから無理なものを強引にやらせたりする所が、面白く見えたりするのだが、その為、下劣であるとか、教育上良くないとか、「やらせ」が入っているのではないか等の批判がこれまで、たくさん有った様だ。しかし、自分が、毎週かかさずみるのは、この番組の看板企画とも言われる例の”ヒッチハイク”による大陸横断を見るためである。この企画は、過去2度、ユーラシア大陸、南北アメリカ大陸をヒッチハイクで横断することを成功し、今回は、ヨーロッパ、アフリカ大陸横断を行っている。

 では、何故この様な無謀とも言えるものに興味を引かれるのか、それは、たくさんあるが、例えば、普通に日本で暮らしていて、いきなり、連れて行かれた旅を始める時の芸人の心情に、又は、突然変った生活スタイルに戸惑っう所に同情するのである。でも、やがて、旅が進む内に、彼らは、大変多くの苦労と共に、その中から、旅をすることの喜びを見出す様になる。そして、何より、与えられたとは言え彼らに、当初は、同情までしていたのに、今度はだんだん非常にうらやましく思えている自分があるのだ。

 自分も、今の生活を全て投げ出し、彼らの様に旅をし、行ったこともないような所で、今までにできなかった体験をしてみたいと思い、それが、今できないし、そうする勇気もないので、テレビを通じて、彼らに自分を重ねてみたりしているのだ。そんな彼らの旅を”やらせ”だとか、下らないとか言う人もいるが、そんなことはどうでも良いと思えるぐらい、当の彼らは、生き生きとした表情をし、どんどんたくましくなっている。もし、”やらせ”だとしたら、彼らは、とんでもない、ものすごい役者だと思えるぐらいに。そんな訳で、又、今週も電波少年を見る為、チャンネルを合せてしまうのだ。

 

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