2006年(平成18年)6月20日号

No.327

銀座一丁目新聞

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(8)
オカリナ職人 藤田 東悟

−うれしいこと−

 

  窯の作業小屋(2間×3間の小屋ですがオカリナを製作しているのはその中の3・6m×2・7m)でのオカリナ造りに専念している夕方の5時頃、作業台の下を何か黒いものが通り過ぎたような気配を感じ、鼠みにしては大きすぎるし餌も無いのに鼠が居る訳も無いしと不思議に思いつつ何気なく外を見ると野性の子ウサギが物見台の上がり口の階段の所で草を食べており、しばらく物見台や竪穴式もどきの建物の周りをうろうろしておりましたので、今の黒い影は子うさぎだと分かりました。今は気候も良いので入り口と窓は開けて作業しておりますが窓から飛び上がって入ったとは思えず、入り口から入ってきたのだと思います。もしかしたら私の足元まで来たのかもしれないと思うと嬉しさと驚きでいっぱいになりました。前から大人の野うさぎは時々見かけておりましたが子うさぎは初めてです。小屋の近くに動物の通り道の様な枯れ草で出来たトンネル状ものが在り、その近くで野うさぎの姿を見かけましたので野うさぎがいることは分かっておりましたが、警戒心の強い野生動物が、人が作業している部屋の中まで入り込んでくるとは信じられません。 

 今の時期は鳥たちが一日中良い声を聞かせてくれますので、作業中はラジオもかけず鳥たちの鳴き声だけの世界に浸りオカリナ造りに没頭し、全神経をオカリナに集中しておりますので邪念が無い「無」の世界に入り込んでいたので、うさぎも人の気配を感じなかったのかもしれません。それ程私はオカリナを造っている時は集中しております。出来あがったオカリナは音色を確かめるため時々音を出しておりますので子ウサギが不思議な音色を確かめに来たのかもしれません。そう思うとうれしくなり、ますます私のオカリナに自信が持てる様になりました。

 藤田氏のオカリナ紹介サイト(販売もあります):
   http://www18.ocn.ne.jp/~tougo/

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