2006年(平成18年)3月20日号

No.318

銀座一丁目新聞

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花ある風景(232)

並木 徹

舞台で踊って歌って楽しんだ

 文化放送・劇団「ふるさときゃらばん」主催の「ミュージカル体験塾」はユニークな学校である。一年間でミュージカルのスピリッツとテクニックを伝授すると言うのだから欲が深い。昨年4月18日中野サンプラザで入塾式に私は激励の挨拶をしただけに7期生の卒業公演「生き物!の地球」(3月12日・昭和女子大人見記念講堂)の出来が気懸かりであった。会場入り口で会った塾長の天城美枝さんは「グループごとに自分自身から積極的に稽古に励んでいた。やる気十分よ」と言っていた。出し物はふるさときゃらばんお得意の環境問題。半分以上の場面が現在ふるさときゃらばんが上演している作品から取ったもの。意外と面白かった。「ごみ騒動」。黄色いゴミ袋にカラスが戸惑う。腹をすかせる。1人を除いて8人の女性が扮する。エロッポイ感じがする。「エロ可愛いカラスを目指します。ちゆつ!」(釜沢安季子・放送作家)とある。本音が舞台に出ているから立派である。松山市のお袖狸(小林沙織・松山高女の女学生)も登場する。お袖狸のコメント「あつ!!尻尾がはえた!!腰痛の成果をご覧あれ!」。お袖狸は病人を治したと伝えられる。空港の滑走路にタヌキが出没してそのつど清掃を余儀なくされる話は開発で住処を追われたタヌキこそ憐れである。空港の客としてマンガ家、ビック錠本人が出てくる。サインをせがまれる。7期出場の巴信子とともに貫禄のあるところを見せる。さまになっているから年季というものは不思議である。気になるのは名物・女優、巴の談話「舞台。納め時到来?」とあることだ。世界各地での森林の伐採は生物を殺し、水の道をふさいでいる。各地で災害が頻発するのはそのためである。つい最近もフイリッピンレイテ島で地滑りの大惨事が起きた。
 地球が丸いことを証明したマゼラン(1519年から1922年)の豪快なシーンも展開される。マゼラン役の相川博(自営業)は「われら地球族!」の小山田錦司の演技を何度となく見たのであろう。迫力があった。本人は「2年連続の参加です。今年の演技に注目です」としるす。
 7期生の職業は会社員12名、自由業7人、小学生7人、中学生5人その他である。頂いた出演者のコメントで目に付いたものを抜き書きする。ギリシャ人役の佐竹真佐子(主婦・他)「太陽を船に乗せて夜の間に運んでいるのだ」地球が太陽の回りを回転しているよりロマンチックである。インド人・コロンブス他役の鈴木佐貴子(児童厚生員)「好きなことをして心は春!財布の中はいつも冬!」よい芝居を演じようと思ったらいい芝居をたくさん見よ。貯金などするな。インド人の姉妹のスッチー@役橋詰尚子(お天気屋さん)「毎年役柄が壊れてゆく気がする?7年目です」壊れてゆく事が分かるのは大進歩。上手くなった証拠である。私の正直な感想。「7期生の諸嬢、諸君よもう少しだ。頑張れ」。

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