2006年(平成18年)2月20日号

No.315

銀座一丁目新聞

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競馬徒然草(72)

―クラシックへ向かう有力馬― 

 不況の世の中、競馬の世界も例外ではないようだ。特に地方競馬が深刻だそうだ。というと他人事のような言い方に受け取られるかも知れないが、中央競馬のファンの立場からすれば、「馬券が買えればいいのだから」という人も多いようだ。正直なところだろう。確かにクラシックへ向けて、順調に日程が進みつつある。
 すでに前哨戦も行われているので、現時点での有力馬を眺めてみることにしたい。前哨戦の日付順に挙げてみる。まず、1月15日の京成杯(GV、中山・芝2000)。勝ったのはジャリスコライト(藤沢厩舎)。スムーズに折り合って中団6番手を進み、4角手前から仕掛けて抜け出した。勝ちタイムの2分3秒は褒められないが、前日の雨で馬場がやや悪かったので、止むを得ないともいえる。だが、レースぶりはよかった。ただし、イレ込み癖のある馬だから、気性の点に不安がないわけではない。
 次に2月5日の共同通信杯(GV.東京・芝1800)。関西の2強が対決したが、1番人気のジャリスコライトを2番人気のアドマイヤムーンが差し切り、皐月賞の最有力候補となった。勝ちタイムの1分48秒4もいい。続いて2月10日のきさらぎ賞(GV、京都・芝1800)だが、勝ったのはドリームパスポート。1勝馬ながら2番人気に推され、直線で豪快な決手を発揮した。勝ちタイム1分47秒4は立派だ。このタイムは1800メートルでのものだが、2000メートルでのタイムを換算推定しても、京成杯のジャリスコライトより優秀である。1番人気で2着に敗れたメイショウサムソン(1分47秒5)も侮れず、関西馬のレベルの高さを示している。
 皐月賞へ向けての有力馬を挙げてみるとこんなところだが、昨年のディープインパクトのような傑出した無敗馬が見当たらないので、今年は人気が割れそうな気配だ。それはそれでレースを盛り上げることになり、ファンにとっては大歓迎だろう。ついでに不景気気分を吹き飛ばしてほしいものだ。

( 新倉 弘人)

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