2005年(平成17年)8月1日号

No.295

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競馬徒然草(54)

―2歳戦は種牡馬の戦い― 

  今年の2歳馬のレースが6月18日から始まっている。ほぼ1か月を経たので、どんな馬が勝ったかなど、改めて振り返ってみよう。当初は新種牡馬の産駒が注目されたが、クロフネの産駒が2頭(プラチナローズ、フラムドパシオン)新馬勝ちし、当初の評判を裏付ける形になった。これを除けば、メイショウドトウの産駒(シゲルフドウカブ)が1頭勝っただけで、新種牡馬産駒の活躍は期待はいまひとつといったところだ。
 一方、新種牡馬ではないが、注目を集めたのはサンデーサイレンス産駒。こちらは産駒が今年が最後の世代となるだけに注目されているわけだが、いまのところダイアモンドヘッド1頭が勝ったのにとどまる。評判の高い良血馬は、じっくり調整して秋以降のデビューになると伝えられるから、今年の後半以降には、サンデー最終世代にふさわしい活躍を見せてくれるものと期待したい。
もう1つの観点は、サンデー産駒ではないが、サンデーの血を引く馬たちの活躍だろう。そのケースでいえば、新馬戦勝ちのアドマイヤムーン(父エンドスゥイープ)は、祖父がサンデーだ。また、サンデーの孫になるアリババシチー(父アドマイヤボス)は、新馬戦で勝てなかったものの、未勝利戦で勝っている。祖母が良血のベガなので、期待されるものがある。同様に未勝利勝ちのケースには、コイウタ(父フジキセキ)もいる。やはり未勝利勝ちのマルカアイチャン(父フレンチデピュティ)の場合は、母(マルカコマチ)の父がサンデーだ。
 こうして見てくると、サンデーサイレンス系も後継2世代、3世代の活躍まで注目に値するようだ。なお、今年の新種牡馬は15頭。そのうちサンデーサイレンスの血を引くのは、アグネスタキオン、ステイゴールド、ブラックタキシード、ニューイングランドの5頭である。これらのうち、どれが活躍する産駒を多く出すだろうか。
 なお、これに関連していえば、サンデーサイレンスが偉大な種牡馬だっただけに、良血の繁殖牝馬との配合が多くなり、近親配合の弊害が不安視され始めている。そこで全く別系統の種牡馬との交配が進みつつある。サンデーサイレンス系の繁殖牝馬と、別系統のフレンチデピュティとの交配だ。フレンチデピュティ産駒は、これまで3頭が新馬勝ちしており、今後も眼が離せないようである。

( 新倉 弘人)

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