2004年(平成16年)12月1日号

No.271

銀座一丁目新聞

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茶説

自衛隊のいるところが安全地帯である


牧念人 悠々

 自衛隊のイラク派遣延長期限が14日で切れる。小泉首相は延長の腹構えのようである。イラクの治安が悪くなるばかりなので自衛隊の派遣延長に慎重論が出ている。世論も6割が反対のようである。小泉首相が民主党の岡田克也代表の質問に答えて『自衛隊のいるところが非戦闘地域である』と応えた。自衛隊の派遣先を「活動期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる地域」としているので一理はある。さらに小泉首相の頭の中には自衛隊はサモワへ出発前に周到な準備と訓練を重ねたので『自衛隊のいるところが安全地帯』という認識があったのではないか。サモワへ行く前に自衛隊はサモワの宿営地と同じ兵舎を作り、ここで寝起きして、テロを含めた戦闘訓練をし万一に備えた。また米軍から『何をすべきで、何をしてはいけないか」戦訓を聞いた。指揮官も第一級の人材を出した。新聞も国民もこのことを余り知らない。さらに大きな誤解をしている。自衛隊を守るのはあくまでも自衛隊なのである。オランダ軍ではない。オランダ軍はサモワの治安を担当しているに過ぎない。これが常識というものだろう。敵に襲われて他国の軍隊に守って貰う軍隊が何処にあるのか。自衛隊が敵に襲われたら自衛隊が応戦、自分の安全を守るほかない。自衛隊にはその準備が十分できているし、自衛隊の練度はきわめて高い。
 それより前になすべき大切なことは地域住民と仲良くして友好な関係を作ることである。そうすれば敵の来襲が事前にわかるし、敵もサモワの街には近づけない。第一次から第三次まで派遣された自衛隊は本来の任務である給水、医療、復興支援業務をこなしたばかりでなく子供たちと住民達と親善の輪を広げている。その意味ではサモワは非戦闘地域である。だがテロは場所、時期を問わず攻撃してくる。だからその備え十分しておけば安全は確保できる。サモワへの自衛隊派遣は対米協力とともに国連決議1546にもとづくものである。暫定政府もサモワ住民もその駐留を望んでいる時、多少のテロの危険があるからといって撤退するのはもののふの風上にも置けない仕業である。

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