2004年(平成16年)10月10日号

No.266

銀座一丁目新聞

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茶説

大臣の名前を何人知っていますか

牧念人 悠々

 今回の内閣改造の評価は頗る悪い。毎日新聞の世論調査によると、「評価しない」が56パーセント「評価する」が29パーセントであった。その評価の悪さについて「新閣僚や自民党役員に知名度の高い議員、民間人の起用が少なく地味な印象を与えた」と解説する(10月4日)。むしろ内閣改造に当たってのテレビ、新聞の報道に左右されたところが大きい。改造内閣について良い評価した報道は皆無といっていい。当然の世論調査の結果だといってよい。新聞が各閣僚のよい所を、可能性を、意外な一面をそれぞれ並べれば、また違った結果になっていたであろう。
たとえば、尾辻秀久厚生労働大臣は防衛大学卒業(1期生)してから東大に進み、在学中に5年間で77ヶ国を旅した。いわゆるヒッピーであった。この経験は必ずどこかで生きてくる。私は期待できる大臣だと思う。大野功統防衛庁長官は大蔵省出身。香川県知事選に落選して衆議院議員に初当選するまで8年の雌伏があった。これは強みである。年金制度改革法案取りまとめの立役者であった。村田吉隆国家公安委員会委員長・内閣府特命担当は蝶の採集の趣味を持つ。蝶の採集を通じて環境の変化を体得、観察眼が鋭く、話題性に富む人柄であろうと察する。中山成彬文部科学大臣は大蔵省出身。拉致問題で拉致家族の身になって献身した中山恭子内閣官房参与のご亭主。奥さんを見れば旦那さんのよしあしがわかる。
国民の殆どは留任した6人の閣僚を除けばどんな人か知らない。大臣の名前さえ言えないであろう。知名度がない、民間人がいないなどの理由だけで改造内閣を判断するのは早計である。新聞は新大臣の紹介に一工夫したら面白い紙面が出来上がる。問題は武部勤幹事長と山崎拓首相補佐官である。その評価が分かれる。小泉首相の人物眼を信じ、山崎拓さんへの友情に感心する。ともかく、改造内閣の手腕を期待する。

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