2004年(平成16年)1月20日号

No.240

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(94)

「隔世遺伝」

芹澤 かずこ

 

  娘に言わせると高二の孫娘はやること成すこと「ママにそっくり」だと言う。でもその言い様が素直に受け取れない。娘にとって余り芳しくない似かたをしているらしい。そう言えば血液型も同じAである(因みに娘はB型)。普段一緒に暮らしていないので、どんなところがどう似ているのか定かではなかったが、たまたま日記のことに話が及んだときに、そのそっくり加減が明らかになって、大笑いした。
 私が10年日記を欠かさず書いているように、高二の孫も毎日せっせと日記をつけているという。それも2年前に何気なくプレゼントした文庫本型のマイブック(自分の本)という日記帳が気に入って、今年で3冊目になっている。同じものを娘にもプレゼントしたが、三日坊主ならぬ七日坊主で終わっている。
孫の日記帳は、カラーのペンで文章を書くだけでなく、季節にちなんだシールや、旅行で行った先の遊園地などの半券や、紅白歌合戦の出場者リストや、プリクラなども貼り付けてあって、元の倍くらいの厚さに膨らんでいて如何にも楽しい読み物風になっている。
 元旦の夜に思い出したように二人並んで日記をつけ始め、前の年の元旦はどうだったかとお互いに確認すると、やはり長男のところが元旦に来て、麻雀が始まり、ひとりで遊びに出掛けていた娘が帰ってきて麻雀に加わった、とまるでコピーでもしたように同じことが書いてあって、流石の娘も呆れていた。



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