銀座俳句道場 道場試合第21回決着!!  

12月の兼題は 「かれすすき」 「玉子酒」 「年忘れ」 でした。

頌 春

 よき一年となりますように。

 皆様の御清吟と、御健勝をお祈り致しております。

 今年もご一緒に歩いてまいりましょう。     (谷子)

 

【入 選】

忘年会職を離れる人と居て        もとこ

言はでものことこぼれ落ち玉子酒      章司

年忘れ 「夢殿」という 酒を知り            河彦

   【投稿句】 (順不同・赤い字は選者添削、◎は入選)

常勝の将でありしもかれすすき    瞳夢

 老母のつぶやく口実玉子酒

  老母の何かつぶやく玉子酒

 終電車余情引きずる忘年会

  終電車に余情引きずる忘年会


 枯すすき水位の違う川隔つ      中土手

  も少し景をよく掴まえましょう。
玉子酒啜る仕草の鰍沢        
 開店を早めてシニアの忘年会

マジックの種のこぼれる年忘れ    古川孝子

湖畔への ここが下り口 枯すすき  陽湖

富士見ゆる 通院の道 すすき枯る

  富士見ゆる通院の道枯すすき

 60年 未知なる一つの 玉子酒

亡娘の友 集い我が家の 年忘れ

石地蔵赤い前掛け枯れすすき     正巳

  石地蔵の赤き前掛け枯すすき

 年忘れ鐘を聞きつつ老い二人

 冷えた手もあっためて卵酒

芒原 遊ぶ友なき疎開の子      意久子

 眠られぬ キッチンに佇み玉子酒

 横に夫 厚切り蓮根除夜の鐘

猫ひざに玉子酒待つ居候       美原子

 母残し家族それぞれの年忘れ

枯芒 ベンチでねむるホームレス

 布団から首をのばして玉子酒     方江

犬連れて踏入る鉱区 枯れすすき

 象を描く 画紙はみ出して 年忘れ

   「年忘れ」というのは、いわゆる「忘年会」のことですから、

   中七まではいいので、下五の季語を変えましょう。


枯芒 枯れても枯れても 枯芒    坂元宏志

枯芒 川面に映るナルシスト 

 枯芒 とぎれたところ 太平洋



枯すすき 道は遮るものもなし      小島弘子

 子守唄の余韻にひたり玉子酒

終電に残る初雪年忘れ

 野路をゆく かれすすき光るききららと  高木みどり

一人居の玉子酒とろり寂しさよ

  一人居のとろとろ寂し玉子酒

年忘れ喜怒哀楽を友と飲み

 玉子酒洟ぐすという梅酒かな       清七

 冬霞小次郎の碑枯れすすきに投光器

  「冬霞」「枯れすすき」と季語が重なっています。

  小次郎の真っ白な碑や冬霞 

 リハビリ終はる迎いのハイヤー忘年会 

  忘年会への車に待たれリハビリ果つ

 玉子酒リハビリ中は梅酒飲み   

寒風や小次郎の碑に投光器

 かれすすき節々伸ばす露天風呂     とみい 

玉子酒予報通りに白きもの 

善はとて早々にあり忘年会    

ともかくも笑い飛ばして年忘れ     もとこ       
 分れ道枯れる薄の折れる方へ         



 しなやかに 強風かわすや 枯れすすき   ふづき

年忘れ 忘れたきこと 宙を舞ふ

 経済も 支持率も下降 たまご酒

 枯芒その明るさを愛せよと    だりあ
枯すすき河原の風をひとりじめ

落日のいつしんに山の枯芒
  一心に山に日落ちる枯芒


 青き火のぽつとゆらめき玉子酒    章司

九つの年忘れして疲れをり

枯すすきトンネルへ入る夜汽車の灯 

枯尾花風の始終を聞いており    倭文子

 ビル谷間三味の音洩るる年忘れ

  年忘れ三味の音洩るるビル谷間

 気を飛ばし報知機の鳴る玉子酒

 本閉じて眼鏡曇らせ玉子酒    山本洋光
去年の人欠けて淋しき年忘れ

かれすすき揺れてまた風姿花伝かな       さと子
  枯すすき揺れまた風姿花伝かな

 鼻水と母の薫りして玉子酒


 入選の笑みを引きずり年忘れ

  入選の笑みの残りし年忘れ

 憂きことの 多々ありてはや 年忘れ     河彦

年忘れ 忘れられずに 酒を呑み 

枯れすすき キミとボクとの 愛唱歌     花子

 あおられし なれども毅然 枯れすすき

枯れすすき おのがいのちを 尽くしけり

 玉子酒二つの孫もお頂戴           せいじ
 善光寺詣でて世事の年忘れ

雪ふりて古老のごとし枯れ尾花 

 あらつ 鼠 耳澄ます原 枯すすき    泥臥
 皆留守の イブの夜更けて 玉子酒
忘れたき ことまだありて 年わすれ 
 冬晴れの 掴み所なき 青さかな

かれすすき犬もしっぽを立てており   山野 いぶき
 年忘れ胡麻すり達の空騒ぎ

年忘れ宴の後の寒さかな  (季重なりは駄目ですか?)
  ダメではありませんが
  「歌わざる宴の後の寒さかな」では如何?

           
 取り敢えず鼻泳がせて年忘れ               城生子
  どういうことでしょう?料理の匂いを嗅いでいる?

母は母として老ひたり卵酒
  卵酒母は母とし老い給う

 風も陽もかかわり捨てて枯すすき

 枯れすすき 企み蔵( かく )し 撓みけり      姥 懐

席さびし 下戸の慣らひや 年忘れ
  寂しきは下戸の慣ひや年忘れ

 ままごとの仕草に啜る 玉子酒

 座敷わらしの居る曲屋の玉子酒       美沙

 玉子酒震える星の窓に来て

枯尾花狐の嫁入りの通る

星空に背伸び枯すすきの孤独

           

冬芒曽爾高原は風の音       古井一歩

立ち退きし人はいずこぞ枯芒

 喜びの第九聞きつつ年忘れ

卵酒うるさき母は亡かりけり
   卵酒うるさき母の今は無く   

 百年の孤独銀泥の枯すすき        由弥子

 初めてのキス銀幕の玉子酒(エッグノッグ)

忘年会忘れるために飲み直す

 手鏡のうしろ姿やかれすすき     松村竹雄
亡き母が作ってくれし玉子酒
送迎は妻の車で年忘れ     
  送迎は妻の車よ年忘れ

 俳談に顔もほころぶ年忘れ        悠々
 年忘れ年も忘れて山談義              

年忘れ下戸は黙っはしをとる      悠々 

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