2002年(平成14年)6月20日号

No.183

銀座一丁目新聞

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安全地帯(13)

−高山植物の夏−

−真木 健策− 

 

 上高地のウェストン祭(56回・6月1,2日)も南アルプスの開山式(6月15日・上伊那郡長谷村黒河内、千流荘前)も終わった。いよいよ夏山シーズンである。高山植物の夏でもある。
 高山植物といえば、筆者には蔵王国定公園にある刈田山の山頂付近に咲く数え切れない程の高山植物を思い出す。コマクサ、ミヤマオダマキ、ベニバナイチャクソウ、ウラジロヨウラク、ユキワリザクラ、エゾリンドウ、五葉松、アオモリトドマツ・・・
 年間300万人が訪れるという。見晴らしの良さは抜群である。午後になるとガス(濃霧)がわき、視界が悪くなる。雲海も見られる。自然の流れは雄大であるとつくづく思う。山の風も心地よい。坂村真民さんの詩が浮かぶ。

 サラリと 流してゆかん 川の如くに
 サラリと 忘れてゆかん 風の如くに
 サラリと 生きてゆかん 雲の如くに

 エコーライン(宮城県側)と蔵王ライン(山形県側)の沿線脇には遠刈田,青根,峨峨、蔵王の温泉地がある。ここで身体を休めるのも風趣がある。蔵王のシンボル、火口湖のお釜を挟んで苅田岳(1759b)熊野岳(1841b)五色岳(1674b)がある。熊野岳には上山村出身のアララギ派歌人、斉藤茂吉の歌碑がある。

 「陸奥をふたわけさまに従え給う蔵王山の雲の中に立つ」

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