2001年(平成13年)11月1日号

No.160

銀座一丁目新聞

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お耳を拝借(29)

-もしかして晴れ女?

芹澤 かずこ

 

 4月から毎月1回、坂東三十三観音札所めぐりのバスツアーに参加しています。鎌倉の1番札所杉本寺を皮切りに、来年3月までの12ヶ月で1都6県(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、群馬、栃木)に点在する33ヶ所の札所を回ることになっています。全国に観音札所は数多く、中でも代表的なのがこの坂東と、西国三十三観音、秩父三十四観音で合わせて100観音と言われているようです。
それにしても浅草の浅草寺が坂東の13番目の札所だったとは、今まで祭礼や羽子板市やほうづき市などに何回も行っているのに知りませんでした。今までこうした形の寺院めぐりというのをしたことがないので、始めたからには最後まで続けて御朱印帖を埋めたいと思っています。
こう言うとさも信心深いように思われて、
 「何をそんなにお願いしたり、懺悔したりすることがあるの?」
 と聞かれるのですが、信心とはほど遠くて、答えるのも気が引けます。そもそもこのバスツアーに参加するきっかけが、自分のために積み立てを始めた互助会の主催で、会員は通常の五分の一という安い費用で参加出来る、と言ううたい文句に釣られたに過ぎません。それも一人ではなく、友人や知人や妹や従姉妹も一緒なので、月1回の小旅行のつもり。お寺の周辺で路地ものの野菜や卵を買ったり、小田原では干物やかまぼこや塩辛、鎌倉では鳩サブレを送ったり、小町通りで洋服を探したりと、まるで買い物ツアーでもあります。
 観音様に聞えたら気を悪くなさるかもしれません。それなのに慈悲深い観音様は霊験あらたかで、どんな土砂降りの中を出かけても、お参りのためにバスを降りる時は雨が止んで日が差してくるのです。今まで1度や2度ではないから観音さまのご利益か、それとも台風や雪の日に旅行に出ても目的地に着く前に天気が回復して、いつも傘がお荷物になってしまう私が晴れ女なのか、軍配はどちらに――。



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