2000年(平成12年)8月10日号

No.116

銀座一丁目新聞

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茶説

奉仕活動の義務化を実現せよ

牧念人 悠々

 「教育改革国民会議」(江崎 玲於奈座長〕が一定の試験期間をおいて満18歳の国民のすべてに一年間奉仕期間を義務づける提言をした(7月26日)。子供の社会性や耐える力を養成するため農作業や森林の整備、高年者介護などを行うとするものである。賛成する。
 諸外国では二十歳前後に徴兵制度があり、拒否者には福祉施設への奉仕が義務づけられている。たとえば、永世中立をうたうスイスでは19歳から20歳の間に15週間、42歳までに300日兵役の義務がある。
 日本でも希望者に社会奉仕のかわりに一年間自衛隊に入隊する方法も考えてもよい。これは「奉仕の志」を強調する分科会の趣旨と異なるが、若者の心身を鍛えるという精神においてはそう変わった提案ではない。また、分科会では芸術・文化創造活動への参加も考えてほしいという意見もでたという。これも考慮してよいと思う。
若者の価値観は多様化している。選択肢はいろいろあってもかまわない。その期間の中で、心身を鍛えればいいのである。人間形成の上で集団生活、集団訓練は必要である。このような場で人間はよいことも悪いことも覚える。それが生きる糧となる。
 日本ほど急スピードで道徳が崩壊した国はない。敗戦によって道徳教育を嫌ったこともある。自由ばかりを強調して義務を忘れてしまった。時には私を捨て公に尽くさねばならないこともあるのを知らないのだ。17歳の少年の凶悪な犯罪が目立っているのも理由なしとしない。
 よいことは実行することだ。総論賛成、各論反対でいつまでもやらいでは日本の国がおかしくなってしまう。

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